117〈坂口安吾〉

朝早に起きて図書館にこもってレポートやら就活やらやる予定だったのに、起きたら12時だし結局家、いやベッドから出ませんでした。あれれえ。

坂口安吾の「白痴」を読んでいる。もんのすごく、面白い。たしか去年か一昨年かに買って、3分の1くらいだけ読んであんまりわからなくてやめてたんだけど、今読み直すとわかるしとても面白い。かっこいい。

大島智子さんというイラストレーターの絵が高校生の頃から好きで、その方が画集の中の対談で、自分の描く女は坂口安吾のこの本に収録されたある短編のイメージに近いと話していたので買ったの。で、読むと納得。退屈が好きで、貞操観念が低くて、でもそんなだらしない自分に酔うというよりは淡白で自分の考え方に沿っていて、男を見下すわけでも女を上げるわけでもなく、いや女の若さに勝ち誇ってはいるな、けどあくまで肉慾として割り切っていて流されるままに、破滅願望があって、でも憎しみや愛の純粋さは信じている、遠い目をした色気みたいな…。戦争ありきの人間観だと思うけどね。なんか、自分は割とそういう人に憧れてしまう(実在のこういう人はダサいけど)。で、坂口安吾の小説も大島智子のイラストもそうなんだけど、女の肉体が白くて細い。どんな何よりダイエットしたくなったわ。私はなんだかんだで男尊女卑な価値観が強いフィクションを好んでいる節があり、自分の中で戦わないといけない。

 

「観念の生活」って書いてあって、私のことかと思った。何回も震える文章があったんだけど、それらは2周目に拾うとして、最後の最後にさらりと書かれた、当たり前の文章だけとりあえず残す。でも、こんな言葉は出てこないのよ。

「彼のような魂の孤独な人は人生を観念の上で見ており、自分の今いる現実すらも、観念的にしか把握できず、私を愛しながらも、私をでなく、何か最愛の女、そういう観念を立てて、それから私を現実ととらえているようなものであった。」

本当によかった。何度も読み返す。