829〈褒められて、なんか、本が読めた〉

今日、部署の偉い人と面談があって、話の流れで「丁寧に仕事してる」というフレーズがその人の口から出てきて、あ、なんか今日は本が読めるなと思った。

 

新人が自分しかいなくて、わりかし各々の裁量のあって、目の前のことを終わらせるのに必死で全体像もわからないから、自分の仕事に対する客観的な視点や尺度が欠けてて、それが地味につらかったんだと思う。自分のスタイルがどのタイプに当てはまるかわからない状態。多分そんなに意味のある言葉じゃないけどうれしかった。私は、自分の頑張りを誰かの言葉で規定されたかった、褒められたかったんだな。新入社員だから誰よりも仕事できなくて、評価の土壌では認めてもらえるわけないんだからって割り切ってたけど、そうだった、私も頑張ってるんだった。

 

最近、少しでも退勤後の体感時間を引き伸ばすために、帰宅中から寝る直前までツイッターTikTokばかり見てわざとつまらない時間にしてたの。質より量。ツイッターのことを数で得するアプリだと認識していて、1秒に1ツイート読んだから、3時間でこんなに色々見れた!みたいな。映画とか本とかだと、1つのコンテンツだけで自分のプライベートな時間1日分が消えるのがなんかもったいなくて、許せなかった。毎日文庫本を袋に入れて持ち歩いているのに、電車で読む気にもなれなくて、罪悪感で袋が重く感じた。休日も同じ論理で携帯眺めてるだけだった。純粋に精神的な余裕がなかった。

でもやっと今日、小さく褒められて、なんか仕事のことが割り切れて、読めるな、と思えた。いつもより早く退勤して、高瀬隼子『犬のかたちをしているもの』を読んだ。面白くてそのまま、同じ作者の『おいしいごはんが食べられますように』も読んだ。しみじみと、本が読めてうれしい。高瀬隼子をすごく好きになった、また読みたい本が増えた。

 

 

ごめんいい感じに日記まとまったけど、さらっとTikTokを見ていると書いたのが恥ずかしいので言及させてください。みなしょーの投稿を見るためにインストールしてから、TikTokはスターダストの男性アイドルたちを見るアプリになっている。自分の中で、男性アイドルを見るのは性欲に基づいた卑しい行為だから、ライブ映像とかですら堂々とできない、TikTokというアプリの下品さがちょうどいい。さながらおっぱいぶりんぶりん一般女性をスクロールし続ける若い男性みたいなものです。